いきなり道路右手から狸が飛び出してきてとうとう引っ掛けてしまいました。かすかにふんだフワッとした感触。Uターンして戻ってみると右の草むらに確かに横たわっています。もう一度Uターンして近づきヘッドライトを当て確認し、軍手をはめ用意していると胸が上下しました、生きています。ヘッドランプをつけ車から降り、どうしていいかわからず「ごめんなさい。おい、大丈夫?」と声を掛ける事しかできませんでした。すると三角の頭を上げ、青白く光る目でこちらを見ます。近寄ると起き上がり、左後ろ足をビッコをひき、歩き出し、また横たわりました。さらに近寄るとまた歩き出します。ヘッドランプを消し悩みました。5Kのガスボンベの木箱に入れれば運ぶことはできる。『「病院に連れて行くべきか、とも考えましたが、もし3万円もかかったらと思うと・・・。」、「家に帰るのは1週間後、このまま車に乗せ連れ歩き、肉を買って餌をやる?・・・家族と離れ離れになり車に揺られるよりここに残すほうが・・・」、「・・・でもこのまま置いてけば死ぬのではないか。」』考えあぐねまたランプをつけてみるともうそこに狸はいませんでした。「ごめんなさい。」これで狸との友情も終わったなと思いその場を去りました。田沢湖への車中、これからは救急箱を車載し、もしこういうケースになったら、できる限りの治療をすべきだと考えました。
この後、田沢湖畔県民の森で前輪を側溝に落としました。もがいて後輪も落としました。ジャッキを掛けるほどではないと思い、側溝にたまった落ち葉をかき集め踏み台にし脱出。